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第3回「現場責任者がテストを拒否しているようで埒があきません」

オリジナルの材料を開発、販売しています。とある企業のトップが気に入ってくれて、トップダウンでサンプルをテストして結果が良ければ本格的に採用してくれることになりました。

しかし、先方の現場責任者がテストを拒否しているようで埒があきません。このような場合、現場責任者の顔を潰さずに話を進めるには、どうすれば良いでしょうか?

(東京都 メーカー 49歳)

 

<はじめに>

予めお断りしておきますが、本コーナーのご相談内容は当事者の置かれている状況に関しての詳細な記述がないため、解答内容に推測もしくは仮説的な条件設定をせざるをえない場合が多々あります。今回のご相談内容もその例外ではありません。

ご相談内容で欠落している情報

今回のご相談内容で欠落しているのはトップと現場責任者の人間関係に関する情報です。

具体的には

(1)企業トップが気に入ってくれたという判断はどのレベルの段階なのか?

(2)何故、トップダウンの指示で現場責任者が拒否するのか?

(3)現場責任者の面子を相談者は何故気にするのか?

以上の様な事につきましては、推測のもとに解答させて頂きます。


新商品の販売活動や新規顧客の開拓は強い精神力をともなった地道な努力無しには不可能である大変な仕事です。

その仕事の大半は商品説明の為の事前の根回しや面談機会の設定に多くの時間と労力を要します。

しかし、相談者はそのハードルは既に通過し、更に実権者であるトップに内諾を得ているとの事で、仕事の7割以上が完了しているといえます。

いまやゴールである「成約」を目前にして、大変なご心労だと拝察いたします。

■まず、現状に関する情報分析を行うことが必要

 

まず、考えなくてはいけない事は客観的に詳細な情報分析がすんでいるかどうかという問題です。

顧客先のトップに売り込みが成功し、トップダウンでサンプルテストを現場責任者に指示されていながら、何故現場責任者はテスト拒否をするのでしょうか?

これは、営業現場においては珍しい話ではありませんが、通常では社長の指示を無視するということは考えられません。

その意味で、その背景にある状況を可能な限り把握(類推も含めて)して事を進める必要があります。

営業担当としては、期待を含めた主体的な情報ではなく、更に踏み込んだ具体的な情報が必要です。

まずは、もう一度原点に戻って客観的に現状に関する状況分析をしてみましょう。

(1)トップが提案中の新規材料に関して、具体的にどの程度関与しているのか?

顧客トップが気にいってくれているとの事ですが、

・商品の「どこ」を「どの様な理由で」具体的に評価されたのか?

・現在、使用中の材料はどの様ないきさつで決定されたのか?

・サンプルテストでどの様な条件をクリアすれば受注の可能性があるのか?

・顧客トップに決定権があるのか?

・実際にどの様なトップダウンで現場責任者に指示をしたのか?

・直接的に指示、若しくは間接的指示の為 現場責任者に本意が伝わっているのか?

(2)顧客の判断材料(=現行品に対する比較優位情報)を整理されているのか?

次に相談者は顧客が現在使用中の材料(以下、「現行材料」と表記)について、どの程度の情報を入手していますか?

・現行材料の特徴

・現行材料の価格

・現行材料の詳細なスペック

・相談者の提案している新規材料との比較

・現行材料の納入業者及び取引条件

・現行材料の決定者

その現行材料と比較して、相談者の提案している新規材料にはどの様な優位性があるのかという「具体的根拠」の比較一覧を作成して下さい。

(3)現場責任者がテストを拒否する理由は?

最後は現場責任者に関する情報です。

相談者は現場責任者がテスト拒否をする理由を推測した上で対策を講じなくてはなません。

推測される理由として、

(1)業務が多忙で無駄な労力をかけたくないと現場責任者が考えている

(2)現場責任者がご相談者の提案しているテスト商品について情報不足である。

(3)現場責任者が現在の使用材料の決定者である。

(4)現場責任者が他の干渉を嫌い、自身の主導で何事も決定したいと考えている。

(5)現場責任者とトップとの間のコミュニケーション不足で、相互の信頼関係に問題がある。

(6)現場責任者が現行材料の仕入先と強い人間関係を保有しており、仕入先を変えたくない。

現場責任者がテストを拒否している理由としては以上のようなことが推察されます。

何か思い当たる項目はありますか?

また、推測理由に対処すべく方法を考えるには、複合的に理由が重複している事も想定されるため、注意が必要です。

■現場責任者への具体的対応について

 

相談者はこれまでの情報をもとにして、現場責任者を対象とした説明資料(プレゼンテーション)を作成してください。

<説明資料の必須項目>

説明資料(プレゼンテーション)の必須項目としては ・顧客トップが何故興味を持ったのか?

・使用中材料と相談者の提案している新規材料の比較一覧表

・相談者の提案している新規材料の価格、仕様、納期、その他有利な条件

・顧客が新規材料を導入するメリット

・新規材料の他社での納入実績(実績があれば、他社導入ケーススタディ)

・材料テストの具体的項目、期待される項目の結果

・顧客トップの期待数値の提示

以上の説明資料を現場責任者に提出し、面談の機会の設定をし、同時に、この説明書を顧客トップにも提出し、その旨を現場責任者にも伝えましょう。

この面談及び資料提出によって、現場責任者の拒否する理由(2)「テスト商品の情報不足」については解決すると思われます。

また、理由(1)については「無駄な労力ではなく、顧客サイドにメリットが見込めるテスト」である事を強調してください。

(3)(4)は現場責任者にサンプルテストの主導権をあたえ、 出来る限り現場責任者の立場を尊重してサンプルテストに臨む方法を取ることで、解決もしくは前進可能と考えます。

最後の(5)(6)については非常に難しい問題ですが、

・相談者自身で現場責任者との人間関係を構築してゆくという漸進的なアプローチ、

もしくは

・現場責任者のメンツは諦め、顧客トップに直訴して強行突破するという速攻的なアプローチ。(但しこの場合は、採用されたときには、出来るだけの努力と誠意をもって現場責任者との信頼関係を築いていく努力が不可欠ですが)

といった硬軟両面からの方法を取ることで解決するはずです。


<最後に>

営業活動は様々な状況や制約条件のもとに展開されるものです。

営業担当者はそうした状況を的確に把握し、様々な状況下でも柔軟に対応できる問題解決能力が必要です。同時に、扱う商材に関しては多面的な観点での合理的な説明及び説得能力を要求されます。

さらには地道な営業活動によって顧客の信頼を勝ち取っていく人間関係構築力も欠かせません。

即ち、いかなる状況においても営業がなすべき基本行動に変わりはありません。

今回のご相談内容も「基本に忠実」な営業活動をどこまで完遂できるかということにつきるといってもいいでしょう。

相談者の御健闘をお祈りいたします。

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