FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

 

第4回「社長がエンジニア出身で技術指向なのは良いのですが・・・」

社長がエンジニア出身で、技術指向なのは良いのですが、管理部などの他の部署に予算や人を割こうとは全然考えず社内が荒れ気味です。

営業も社長が先陣を切って受注してくれるのは良いのですが、後進が育ちません。このような場合、改善策はどのようなものがあるでしょうか?

(東京都 メーカー 49歳)

 

今回のご相談はどこにでも良く耳にする話しで、日本のサラリーマンが社長に限らず、管理職に対して酒場で出す話題はこの手が多い事は皆さんご承知の事と思います。

今回のご質問では詳細が不明ですので、一般的な分析方法と対策の方向付けの提案をさせていただきます。

中小企業の創業者社長に代表されるような経営者を指しての批判は多く出ますが、この様な方々の貢献がなければその会社は存在しえないのも事実です。

個性のあるリーダーは企業に取って必要不可欠な時期が必ずあり、それは創業期の時でもありますし、業績停滞からの脱却時の時でもあります。長い歴史のある会社の社史を調べても、必ずどこかの節目にカリスマ的なリーダーが存在しています。経済だけでなくスポーツ界でも同じで、米国野球メジャーリーグのドジャースの黄金期を作った時の監督は、“私の手を切るとドジャーブルーの青い血が流れる”と公言した強烈な個性を持った指導者でした。

要はこれらの個性的なリーダーの力を最大限利用して会社を成長させ、いかに上手に次のリーダーに引き継いで、さらなる飛躍に結び付けるかです。社員の協力は不可欠で、給料の半分は我慢料だと割り切って上手く社長を盛り上げるか、あるいは反発してサボるかで飛躍のコースに行くか、衰退にコースになるかの分かれ道にもなります。

■客観的な分析評価に基づいた問題解決の薦め

 

筆者も経験がありますが、ワンマン的で部下からの不満が多い業績不振の子会社の管理職を社員の希望に沿って全体調整の上手な管理職に交代したら、業績がさらに悪化したというケースがありました。今度はリーダシップが無いとの不満でした。非管理職にも業績不振の責任要因が多いということです。

そこで前向きな提案として、会社の経営環境とワンマン社長の経営能力を客観的に分析評価し、其の上で社長の弱点をカバーする施策を職務分掌に入れての問題解決を模索してはいかがでしょうか? 職務分掌の明確化は会社法が定める内部統制の項目にあります。

後進が育たないとの指摘ですが、ワンマン社長のいる会社の社員とそうでない会社の社員を比べても、両者の仕事のスキルに大差はありません。差が出るのは社風で、受身の仕事を行うか、能動的な仕事を行うか、仕事への姿勢ついて差がでます。

そこで分掌規定を活用して社長、重役、部長、課長等の業務範囲と権限を明確化して運用します。これは社則として社長への行動牽制にもなりますし、社員の仕事に対する姿勢を能動的にする道具にもなります。

1.社長業績評価: 会社業績を定規にして評価が行われるのに、合理性があると思います。

御質問の中でも「ヒト、モノ、カネ」の配分のお話がありますが、たとえば市場環境が大企業との競合状態にある場合、中少企業は社内資源を重点化しなければ生き残れません。そのような市場環境に御社が置かれていて、社長の重点化した社内資源投入が功を奏していれば、社長判断に必然性がありは正しい事になります。

2.社長の分野別能力分析: 会社への貢献度を要因別に分析します。ベストなのは外部の第三者の視点を持ったコンサルタント等によって行なわれる事ですが。

基本的項目は社長の行動が社会的論理性、経営的論理性に整合しているかです。

社員に接する態度が感情的になってないか、社外活動でも社会規範に合っているかです。

次に社内統治能力を検証します。たとえば社長自身が受注してくれる事は通常プラス評価ですが、もし社員に与えている裁量以上の条件(販売価格、支払条件、納入時期等)で受注してくれば、マイナスとして評価します。

人事処遇の公平性、投資の先見性、効率的会社組織の構築運営等も同様に分析します。

そうすると社長の得意分野、苦手な分野が判明します。(技術出身でも案外システム的でない主観的カンに頼った経営をされているかもしれませんよ!!)

■改善の方向付けに関する考え方

 

会社業績ステージと社長の在職期間を考慮しての一般的改善方向付を、下記の表にまとめて見ました。分析が出来たらマトリックスから方向性に合った施策を考えます。

たとえば社長在職年数が短く会社の業績が成長期のケースでは、ある程度の社内矛盾は我慢して社長に全面的に協力し、弱点をカバーするサポート体制作りが必要です。社長の苦手分野を強化してサポートします。逆に会社業績が停滞期に入り社長在職年数も長期のケースでは、社長個人のマネージメント能力に限界が来ているので、世代交代策が必要です。業務分掌を改定して取締役会の権限を強化し、役員に権限移譲を行って世代交代に備えます。

会社の業績

在職期間

成長期 前期安定期 後期安定期 停滞期 悪化衰退
短期
(4年以内)
サポートシステム サポートシステム   役職分担
業務分掌
業務改善
権限移譲
中期
(8年ぐらい)
サポートシステム 業務分掌
社長業務軽減
業務分掌
権限分担
業務改善
権限移譲
交代策
取締役会強化
長期
(12年ぐらい)
サポートシステム
業務分掌
  後進育成策 世代交代策
取締役会強化
世代交代策
取締役会強化

今回のご質問は前期安定期で在籍8年の社長と仮定して方向性を考えてみます。

一般的な傾向として社長は会社を成長させると、本人がひと満足した、あるいは疲れた等で一休みの時期(いわゆる充電期間)になります。 次の成長ステップへの大事な時期です。この時期は社長業務負担を減らします。重役への一時的な権限移行も有効です。重役の経験と同時に能力確認も出来て世代交代時の人選の参考にもなります

次に業務分掌の有効活用で職制の他に各部所の業務範囲、権限をも明確してシステム化を図ります。

■法的な観点からの可能性

 

最後に中小企業のワンマン社長の行為をどのように制限するか、という観点から法律的可能性をアイデアとして述べで起きますがこれが絶対、という方法はないではありません。

日本の風土にも合いませんが、最近外資による株主総会での不信任等で実際におきていますので参考に書かせていただきます。

最も直接的な方法:

・代表取締役を辞任していただく

「解任」ですと登記上明記されて遺恨が残りますので、辞任していただくのが現実的。

・会社の印鑑を取り上げて、会社で管理する

といったものですが、日本に多いワンマン社長が大株主であったり、また、代表取締役であり続けることを前提とすると、難しいと思います。

ワンマン社長が代表取締役であり続けることを前提とする場合:

代表取締役としておく以上、制限には限界がありますが、考えうる事前の手段としては、以下のものがあります。

・定款又は取締役会規則の中で、「取締役会の決議を経なければならない事項」を規定しておくことにより、代表取締役の権限に内部的な制限を設ける。

(但し、代表取締役がこのような内部的な制限に違反して行為した場合、違反していることを相手方が知っているような場合でなければ、有効なものとして取り扱われます)

ワンマン社長が大株主ではなく、ある程度、株主がバラけている場合:

取締役(ワンマン社長の息のかかっていない、または、中立な)らによる代表取締役の解任権の存在が、代表取締役の独断行為に対する牽制効果を持つことがあります。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。