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第9回「原材料が安定供給されなければビジネスの見込みが立ちません」

弊社は部品加工業です。今回、自社製品を開発しました。原材料を仕入れようと交渉中ですが、 原材料メーカーは、原材料を売るが、一定の量を確保するという契約を結ばないと主張しており ます。大量生産を計画しており、原材料が安定供給されなければビジネスの見込みが立ちません。

このような場合、どのような手段があるでしょうか?

(千葉県 メーカー 63歳)

 

今回のご質問は新製品の導入時には良く突き当るケースです。

 新製品の販売は会社内の期待も高く計画数量の100%またはそれ以上の生産数量を確保して万全の販売体制を備えようとします。

ところが原材料メーカーは今回のケースの様に希望する原材料の生産確保に尻ごみするケースが多々あります。 この様な原材料メーカーの対応に社内では競合他社が影で妨害しているのではないかとかの疑心暗鬼が飛び交いますが大抵の場合は納入までの期間が短いので生産対応できない、その時期の生産ラインが空いていない、と言った余剰生産能力上の理由が大多数です、それから最近多くなっているのが取引先の与信枠を設定していてこれを超えた販売はしないなどです。 

原材料メーカーの規模にもよりますが中小規模の場合は一社から大量の受注は対応を誤ると他の得意先への供給量に影響が出ますし、たいていの原材料メーカーは新製品導入失敗により契約数量を途中でキャンセルされたと言った被害を多かれ少なかれ受けられた経験をお持ちのはずですのでこのリスクを回避したいのもあるかと思います。 

御社は大量生産を計画されているとの事ですが商談されている原材料メーカーの生産数量を確保できない理由(制約条件情報)を聞いておられますか? されていないなら下記のヒアリングをして下さい。

A.原材料メーカーの余剰生産能力の実情:

年間を通じて余剰生産力がない場合は諦めざるを得ません。
しかし季節要因等で御社の希望 納入期間内での生産対応は出来ないが納期延長等の時間的余裕をあたえれば閑散期での在庫積 上げ生産等を行う事で対応できる場合が多々あります。

B.新製品用原材料の発注金額は通常取引金額よりどの程度多くなるのか。

今までの取引量の何倍にもなる場合は先ほど書きました与信枠を超えるのでしぶっている可能 性もあります。

C.御社の信用度と競合他社との取引状態

競合他社との生産配分の兼ね合いでしぶっている事もあります。

主要取引先に区分されているなら政策的に無理を聞いてくれる余地も期待出来ます。

多くの原材料メーカーは生産量が足りない時に提携して助け合っている御仲間の会社があると思いますので御社と友好的ならその会社を紹介してもらうのも可能です。

次に御社自身の新製品に対する社内体制を確認して下さい。

1. 販売予定数量の計画精度

原材料メーカーに発注した数量は全量引取り保障を行える程自信がある高い精度か?です。
新製品販売予測の最高値、最低値それに一番確率が高そうな見込値の3数値は計算して下さい

2. 新製品発売に対応する資金準備

新製品発売は売掛金が増加するだけでなく原材料調達の買掛金も増加します。

与信枠が問題の場合は取引条件を原材料メーカーが受入易い支払条件を出す必要がありますので御社の体力がどの位あるのか検証して下さい。

3. 販売時期は変更の可能性

発売時期を遅くしたりして原材料メーカーへの納期を伸ばす事が可能かの検証です。

先ほど述べた納期延長等の時間的猶予を原材料メーカーにあげられるかです。

4. 一斉発売では無く、当初は取引先を限定した販売を行い順次販売先を拡大するロールアウト方法が可能かの検討。

これも納期延長に関連しますが初回納入数量を絞る事が可能かの検討です。

これらの制約条件をマトリックスで組合せると解決方法と今後の対応策が決められると思います

例えば、生産力が無い: どうしようもないので諦めて他の原料メーカーを探す。

生産力不足×与信ある: ①発売時期を遅らせる、ロールアウト方法の採用で納期延長条件を提示する。

②発売時期変更不可の場合は不足分を補充できる他の原材料メーカーを探す。

生産力ある×与信不足:支払期日を早めるなどの原材料メーカーに有利な取引条件で交渉する。

生産力ある×信用不足:販売契約に契約数量全量買い取り条項を入れて交渉。
(買取数量は全量から70%等などの交渉で決める。)

以上の拙速型対応を書きましたが、今後の新製品発売でのゴタゴタを避ける方法として、製品開発の途中から今流行りの開発購買の手法を用いて新製品開発段階から原材料メーカーを参画させて自社に取り込むなどのやり方もあります。

今回は開発が終了した生産準備段階のケースですのでロジスティック(兵站)の視点を取り入れて 見ます。

ロジスティックと言うと日本では物流面の戦略にとられていますが本来は原材料調達からエンドユーザーまでの物の流れを効率的、安定的、経済的に行う考え方です。 つまり原材料調達→生産→保管→配送→販売までの物の流れです。

ご質問から推察すると御社は原材料メーカー1社のみと交渉されておられるようですが、購買部に頑張ってもらって他の原材料メーカーを探してもらい、1社購買から原材料の安定調達をしやすい複数メーカーからの複数購買に切り替えられてはいかがでしょうか?

日本では取引期間の長い会社を主に考え、1社からの単独購買のやり方で取扱数量を大きくして購買価格を安くし、安定供給を受けるメリットを取る方法が主流です。

しかし御社の原材料メーカーの場合は安定供給が果たせていません。このままでは新製品発売後も原材料の生産量不足が起きる可能性が残り、安定供給体制の構築が優先課題になると見受けられます。

日本は供給過剰社会ですので余程の特殊品でも無い限り生産者は複数存在するはずです。 また製造ロットも少品種多量生産体制から多品種少量生産体制への供給側から需要側への産業構造のシフトから最小生産ロットも少なくなっており大量購入と小ロット購入との価格差も小さくなってきています。

複数購買ならば当初購入価格は高くなる可能性 (私の経験では10年以上単独購買して来た会社の納入価格は新規取引先価格より高いケースが60%でした、実際は反対に安くなる可能性の方が高いです。) はありますが、中長期的には

1.複数メーカーより見積価格が取れるので競争原理が働きサービス向上が期待できる。

2.数社からの複数購買により購入数量の変動に対応できる弾力化が図れる。

3.地震等の天災による供給ストップへのリスクヘッジが可能になる。

など多くのメリットが期待できます。

対象は国内だけではなく海外からの供給を勉強されても良いと思います。

海外からの供給は為替変動などのリスクがありますが商社等を上手く使われれば、為替予約などの方法でリスクは最小限に抑えられますので(ゼロになるとは言えませんが)全体的には有益になると思います。

ジェトロ(日本貿易振興会)でも海外メーカー情報やメーカー探しなのでサポートサービスをおこなわれていますので相談されるのも面白いと思います。(ジェトロ総合案内 03-3582-5511)

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